コラム

COLUMN

Windowsサーバーの監査証跡 – イベントログが抱える問題とは?


WEEDS Trace 証跡管理ソリューションについて詳しく紹介した資料です。

こんな方におすすめです。

・ISMSやガイドラインなどの対応を検討している方
・効率的にシステムの監査運用をしたい方
・不正アクセスなど情報セキュリティの課題を解決したい方
・ログ管理ツールについて詳しく知りたい方


  1. Windowsサーバーにおける証跡管理の重要性
  2. イベントログを用いた証跡管理
  3. ツールを使用する場合の証跡管理
  4. Windowsイベントログを監査証跡とする場合の問題点

Windowsサーバーの運用において、証跡管理は欠かせないプロセスです。このプロセスの主な目的は、不正アクセスや内部不正行為を記録し、システムの管理と改善に必要な情報を提供することです。また、法令やガイドラインでは、特定の情報を記録し維持することが求められています。これにより、サーバーの証跡管理は組織の法的責任を果たすと共に、情報セキュリティを強化することができます。

Windowsイベントログとは

イベントログは、Windowsサーバーで発生するさまざまなシステムイベントや操作に関するデータを記録する重要な機能を担っています。ログを通じて、システムの状態や変更点、エラー発生時の詳細情報を把握することが可能です。イベントログは、証跡管理の中心的な役割を果たし、不正アクセスの検出、内部不正の把握、システムのトラブルシューティング、さらには法的要件の遵守に大きく貢献します。

組織が直面するセキュリティ上の課題は日々進化しており、効果的な証跡管理が企業のリスクマネジメントにおいてますます重要になっています。このコラムでは、Windowsサーバーの証跡管理をどのように行うべきか、その方法とツールの使用によるメリット・デメリットについて深く掘り下げていきます。

Windowsサーバーで行われる証跡管理の中心にあるのはイベントログです。イベントログは、Windowsシステム内で発生する様々な事象を記録するシステムです。これには、システムやアプリケーションにおける構成変更、障害発生、セキュリティ監査など、多岐にわたるイベントが含まれます。これらのログは、後のトラブルシューティングやメンテナンス、セキュリティの監視に不可欠です。イベントログを閲覧するには、Windowsに組み込まれているイベントビューアーを使用します。これはユーザーフレンドリーなインターフェースを提供し、ログデータの閲覧や分析を容易にします。

メリット

イベントログを使用する最大のメリットは、追加コストがかからないことと操作のシンプルさです。追加のソフトウェア購入や導入に関するコストが不要で、システムのパフォーマンスに影響を与えるリスクも低減されます。また、Windows標準のツールを使用するため、新たにツールを学習する必要がありません。これは特に、リソースが限られている小規模な組織や環境に適しています。

デメリット

しかし、イベントログを使用するアプローチには欠点もあります。イベントログの量が多いため、重要な情報を見落とすリスクが高まります。また、専門的な知識が必要なイベントログの解析は、手動では時間がかかります。更に、イベントログがサーバーにローカル保存されるため、データ損失のリスクも考慮する必要があります。

コストと手軽さを重視する場合、イベントログを使用する証跡管理は有効ですが、詳細な監視や分析が求められる環境では、その限界を理解することが肝要です。

Windowsサーバーでの証跡管理には、ツールを利用することで効率化やセキュリティの強化が可能です。これらのツールは、イベントログの収集、分析、保存を自動化することで、管理作業を大幅に簡素化します。証跡管理ツールは、ログデータをリアルタイムで分析し、不審なアクティビティをすぐに検出できる機能も備えています。また、レポート作成やアラート通知の自動化も可能で、管理者の手間を減らすと同時に、即時性と精度を高めることができます。

メリット

1. セキュリティの向上

証跡管理ツールの使用は、セキュリティレベルの向上に寄与します。不正アクセスや内部不正行為をリアルタイムで検出し、迅速な対処が可能になります。

2. 運用の効率化

自動化により、日々のログ管理の作業が簡素化されます。これにより、管理者は他の重要なタスクに集中できるようになります。

3. 法規制への対応

多くの証跡管理ツールは、法規制に準拠したログの記録と保管を容易にします。これにより、法的要件を満たすことが可能になります。

4. インシデント時のスピーディーな原因究明

高度な分析機能により、システム障害やセキュリティ違反の原因を迅速に特定できます。

5. 容量の節約

効率的なログの圧縮と保管により、ストレージの使用量を最適化し、コストを削減できます。

デメリット

1. 導入・運用コストの増加

ツールの導入には初期投資が必要であり、継続的なサポートやアップデートにもコストがかかります。

2. 複雑な設定とカスタマイズ

ツールの設定やカスタマイズには専門知識が必要で、初期の設定に時間と労力がかかる場合があります。

3. ストレージの問題

大量のログデータを保存するためには、十分なストレージ容量が必要です。これが不足すると、データ管理に問題が生じる可能性があります。

4. 過剰なアラートや通知

ツールが過剰にアラートや通知を発することで、重要な警告が見逃される可能性があります。

5. プライバシーの懸念

ログデータには機密情報が含まれることがあり、これらのデータの取り扱いにはプライバシーに関する懸念が伴います。

ツールを使用する場合の証跡管理は、セキュリティと運用効率の向上という大きな利点を提供する一方で、コスト、複雑性、プライバシーの問題など、いくつかの挑戦も伴います。適切なツール選択と運用計画を通じて、これらの課題を最小限に抑えることが重要です。


WEEDS Trace 証跡管理ソリューションについて詳しく紹介した資料です。

こんな方におすすめです。

・ISMSやガイドラインなどの対応を検討している方
・効率的にシステムの監査運用をしたい方
・不正アクセスなど情報セキュリティの課題を解決したい方
・ログ管理ツールについて詳しく知りたい方


不正アクセスや不正行為を見逃すリスク

Windowsサーバーでの証跡管理では、イベントログの解析が中心となります。しかし、イベントログにはシステムイベントと人間による操作が混在しており、この区別が一つの課題です。例えば、定期的なシステムメンテナンスや自動更新によるログと、ユーザーによるファイル変更などの操作ログを見分ける必要があります。これにより、不正アクセスや内部不正行為を正確に把握することが難しくなることがあります。

ファイル移動/コピー先が追跡できない可能性

Windowsのイベントログでは、ファイルがどこに移動されたかを直接的には把握できません。ファイルの移動やコピーが行われた場合、それらの操作の軌跡をたどるためには、複数のログエントリを慎重に分析する必要があります。これは、特に大規模なシステムや多くのユーザーが活動する環境で、証跡を正確に追跡する上での大きな障壁となります。

ログの削除や設定変更による隠ぺい工作

さらに、管理者権限を持つユーザーは、イベントログを削除したり、ログ記録の設定を変更することが可能です。これにより、証跡が意図的に隠されるリスクがあります。例えば、内部の不正行為を行う者がログを消去することで、その行動を隠蔽することができてしまうのです。このような問題を防ぐためには、ログの管理と監視体制をより厳格にする必要があります。

これらの問題点を踏まえ、証跡管理の方法を選択する際には、これらの制約と対策を理解し、適切に対応することが重要です。

操作ログの取得でもっとも重要なことは、すべてのコンピューターで行われた”人間の操作のログ”を漏れなく取得することに他なりません。取得したログから実際に行われた操作を再現できるかどうかがポイントとなります。

Windowsが標準で持っているイベントログ機能は、取得したい用途に合わせ操作ログの出力を行えることが利点ですが、特定の操作に関しては必要な情報全てを取得することができないことが上記のことで分かります。

そこでWEEDSでは、全ての操作ログを漏れなく取得するため、イベントログ+独自技術により取得したログ情報を組み合わせることで全操作をカバーし、直感で操作がわかるような監査証跡として記録する製品開発を実現しています。


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ログ管理ならウイーズ・システムズにご相談を

ウイーズ・システムズ株式会社は、創業からアクセスログ一筋のセキュリティ専門企業です。内部統制や各種ガイドラインへの対応、情報漏えいなどシステムセキュリティに関するご相談を受け付けております。

個人情報をはじめとする様々な情報の流出対策にウイーズ・システムズ株式会社が開発・販売する WEEDS Traceが貢献します。WEEDS Traceは、抜け漏れのないアクセスログの取得が可能です。取得したログのレポート機能や不正操作の早期発見のためのポリシー機能など提供しており、情報セキュリティの強化と業務効率の向上が実現できます。

ぜひウイーズ・システムズ株式会社のWEEDS Traceのご利用をご検討ください。

Writer 雫田 貴一
WEEDS SYSTEMSのWebマーケティング担当者。
マーケティングだけでなく、システムの導入からセールスのサポートに至るまで幅広く手掛けています。
情報セキュリティに不安を感じるユーザーの悩みや課題を解決すべく、日々情報発信に努めています。