コラム

COLUMN

【セキュリティチェックリスト】現行の個人情報漏えい対策を確認

  1. はじめに
  2. 現行の個人情報漏えい対策の問題点
    1. 対策の実施状況の差
    2. 既存対策の制限
  3. セキュリティチェックリスト
    1. パスワード管理
    2. アクセス制御
    3. ネットワークセキュリティ
  4. ログ取得管理ツールの活用
    1. ログ取得の重要性
    2. 事例: ログ取得管理ツールが防止に果たした役割
  5. 既存の個人情報漏えい対策の強化策
    1. 従業員教育と意識向上
    2. 定期的なセキュリティ監査
    3. パッチ管理の徹底
  6. 効果的な対策のための戦略と手法
    1. 対策の優先順位付け
    2. セキュリティ文化の構築
    3. 最新の技術動向の監視と採用
  7. まとめ

日々運用・管理しているシステムの中には、多くの個人情報が格納されています。近年、個人情報の漏えいに関する事件や事故が増加しています。多くの組織で高度なセキュリティ対策が取られているにも関わらず、新たな脅威や未知の攻撃手法により、それらが時として無力であることが明らかとなってきました。

このような状況下での個人情報の漏えいは、企業の信頼や評価を一瞬にして失墜させるだけでなく、法的責任や高額な賠償金につながる可能性もあります。こうした背景から、個人情報漏えい対策のさらなる強化が急務となっています。しかし、単に対策を強化するだけではなく、その対策が本当に効果的であるのかを検証し、適切な手法を選択することが不可欠です。本コラムでは、現行の対策の有効性とその問題点を解説し、より効果的な対策の提案を目指します。

個人情報を保護するためには、抜け漏れのない監査ログから、個人情報の漏えいリスクの高い不審な操作を早期に発見し対応することが重要です。個人情報保護の効率的な対策に「WEEDS Trace」が貢献します。「WEEDS Trace」は、抜け漏れのないアクセスログの取得が可能であり、全ての”人間による操作”をカバーしています。不審な操作としてチェックする必要のある操作だけをレポートとして出力することで、内部からの不正行為の抑止や、不正アクセスの早期発見に貢献します。また、万が一のインシデント時でも、これらのログを基に詳細な調査を行うことができます。

WEEDS Trace 証跡管理ソリューションについて詳しく紹介した資料です。

こんな方におすすめです。

・ISMSやガイドラインなどの対応を検討している方
・効率的にシステムの監査運用をしたい方
・不正アクセスなど情報セキュリティの課題を解決したい方
・ログ管理ツールについて詳しく知りたい方


個人情報の安全性は、企業のブランドや信頼を守るための鍵となります。しかし、現在の対策にはいくつかの問題点が指摘されています。

各企業や組織におけるセキュリティ対策の取り組みは均一ではありません。一部の先進的な企業では、最新のセキュリティ技術を取り入れ、高度な防御策を実施しています。一方、リソースや予算の制約から、十分な対策ができていない組織も少なくありません。このような実施状況の差は、全体としての情報セキュリティの弱点を生む原因となります。

多くの組織が導入しているセキュリティ対策も、完璧ではありません。例えば、アンチウイルスソフトウェアは、既知の脅威には効果的に対応することができますが、新たな脅威や未知の攻撃手法には即座に対応するのが難しいケースがあります。また、セキュリティ対策の導入後、適切な更新やメンテナンスが行われなければ、その効果が低下するリスクも考えられます。

システム管理者として、現行の対策だけに依存するのではなく、常に新しい脅威や技術の動向を監視し、対策のアップデートや強化を継続的に行う必要があると感じていただけるかと思います。次の章では、より具体的なセキュリティチェックリストを通じて、どのような対策を重点的に実施すべきかを考察していきます。

システム管理者の皆様にとって、効果的なセキュリティ対策を実施するためのガイドとして、以下に具体的なセキュリティチェックリストを提供いたします。このチェックリストをもとに、現状のセキュリティ対策の見直しや強化を行う参考としていただければ幸いです。

パスワードは、セキュリティの第一線としての役割を果たします。そのため、次の点を確認してください。

  • 強力なパスワードポリシーが実施されているか。
  • パスワードの定期的な変更を促す仕組みはあるか。
  • 2要素認証や多要素認証の導入を検討しているか。

不正アクセスを防ぐためには、アクセス制御が重要となります。

  • 必要最小限の権限を持つユーザーだけが情報にアクセスできるようになっているか。
  • 不要なサービスやアプリケーションへのアクセスは適切に制限されているか。
  • リモートアクセスの際、VPNなどの安全な接続方法を利用しているか。

ネットワークは攻撃の主要な入口となる場合がありますので、以下の点を確認してください。

  • ファイアウォールやIDS/IPSが適切に設定・運用されているか。
  • ネットワークのセグメンテーションが行われており、不要な通信はブロックされているか。
  • Wi-Fiのセキュリティ設定は適切に行われているか。

このセキュリティチェックリストは、基本的なセキュリティ対策の確認を目的としています。もちろん、各組織の環境やリスクに応じて、さらに詳細なチェック項目を追加することが考えられます。継続的なセキュリティ対策の強化を心がけていただきたいと思います。

ログ取得は、企業のセキュリティポリシーの核心となる部分であり、事前・事後の対策の両方で重要な役割を果たします。その効果的な活用方法と、その重要性を具体的に理解していただくための事例を以下に示します。

ログはシステムの健康状態を示すバイタルサインのようなものです。不正アクセスやセキュリティインシデントが発生した際の迅速な対応や原因分析の手がかりとなります。適切なログの取得と保存は、次のような利点を持っています。

  • インシデントの原因や経緯を明確に特定できる。
  • 法的な証拠としての役割を果たす場合がある。
  • システムの正常な動作やパフォーマンス問題の原因を診断する際の手助けとなる。

ある企業で、内部不正が疑われる事件が発生しました。従業員の一人が、無断で重要な業務データにアクセスし、それを外部に持ち出そうとしたという疑いです。

この企業は、ログ取得管理ツールを導入しており、各従業員のシステムへのアクセス履歴や行動パターンが記録されていました。当該従業員の行動が異常であることを、ログから迅速に特定することができました。彼の行動履歴を詳細に分析すると、他の従業員とは異なる時間帯に、通常アクセスしないデータベースへの接続が見られました。

この情報を基に、従業員に対する聴取を行った結果、内部不正の事実が発覚しました。もしログ取得管理ツールが導入されていなければ、このような迅速な対応は難しく、さらに大きな被害が生じていた可能性も考えられます。

ログ取得管理ツールの活用は、システムの安全性を維持する上で欠かせない要素です。適切なツールを導入し、日々の運用に取り入れることで、より堅牢なセキュリティ体制の構築を目指しましょう。

WEEDS Traceでは、アクセスログから“ 不正ログイン ” や “ リスクのある操作 ” のみを自動でピックアップする為の監視ポリシー機能を有しています。​それぞれ目的に応じた監視ポリシーを登録する事でシステム監視運用がより簡略化され、不正操作のみを素早くチェック頂く事が可能です。

WEEDS Trace 証跡管理ソリューションについて詳しく紹介した資料です。

こんな方におすすめです。

・ISMSやガイドラインなどの対応を検討している方
・効率的にシステムの監査運用をしたい方
・不正アクセスなど情報セキュリティの課題を解決したい方
・ログ管理ツールについて詳しく知りたい方


多くの企業でセキュリティ対策が実施されていますが、その対策が十分でない場合や適切に更新されていない場合があります。この章では、既存の対策をさらに強化するための手法を3つ紹介いたします。

技術的な対策だけでなく、従業員の意識がセキュリティの要となります。以下の方法で従業員教育を実施しましょう。

  • 定期的なセキュリティ研修やワークショップの実施。
  • セキュリティ事例の紹介や、シミュレーションを行うことで、危機感を持たせる。
  • セキュリティに関する通報システムの設置。

システムやネットワークの状態を定期的にチェックすることで、問題点や脆弱性を早期に発見できます。具体策を以下に記載します。

  • 外部の専門家によるセキュリティ監査の依頼。
  • 監査結果を基にした改善計画の策定。
  • 監査結果の全社共有と、必要に応じた教育の再実施。

ソフトウェアの脆弱性を突く攻撃が増加しています。パッチは、これらの脆弱性を修正するものであり、次のように徹底的な管理を行いましょう。

  • 公開されたパッチの適用状況を定期的に確認。
  • パッチ適用の遅延が発生しないよう、自動更新の設定や専任担当者の配置。
  • パッチ適用後の動作確認を行い、システムの安定性を保つ。

結論として、技術的な対策だけでなく、人的要因にも焦点を当てた対策の強化が求められます。全社的な取り組みと経営層のサポートが、強固なセキュリティ体制の構築には欠かせません。

セキュリティ対策は単なる技術的な問題だけでなく、戦略的な視点が必要です。この章では、効果的なセキュリティ対策を進めるための戦略と手法を考察いたします。

全てのリスクを同時に対処することは難しいため、優先順位の付け方が重要です。具体的には以下の方法があります。

  • リスク評価を行い、影響度と発生確率を元にリスクをランク付け。
  • ビジネスプロセスとの関連性を考慮し、ビジネス影響度を算出。
  • 上記の情報をもとに、最も対応が急がれるリスクから取り組む。

組織全体でセキュリティ意識を高めることが、持続的なセキュリティ対策の鍵となります。具体的な手法は以下の通りです。

  • トップマネジメントからの明確なメッセージと支持を取り付ける。
  • セキュリティに関するイベントや研修を定期的に実施。
  • セキュリティに関する成功事例や失敗事例を共有し、組織内での学習を促進。

セキュリティ技術は日々進化しています。新しい脅威に対応するためには、技術の最前線を常にキャッチアップすることが求められます。

  • 最新のセキュリティ関連の学会やセミナーに参加し、情報収集。
  • 新技術の導入に際しては、テスト環境での評価を行い、本番環境への適用を検討。
  • ベンダーや専門家とのコミュニケーションを密にし、情報交換を活発に行う。

最後に、効果的なセキュリティ対策は継続的な取り組みが不可欠です。環境や技術、組織の状況は日々変わりますので、定期的な見直しとアップデートを行うことが大切です。

セキュリティの風景は日々変わり続けており、その変化に対応するための対策も進化しなければなりません。個人情報漏えいは現代のビジネスにおける重大なリスクとなっており、その対策は企業のサステナビリティに直結する課題です。

本ガイドでは、現行の対策の問題点から始め、具体的なセキュリティチェックリスト、ログ取得管理ツールの活用方法、強化策、そして戦略・手法の提案までを行いました。これらの対策は組織の安全を確保し、信頼性を向上させるものです。

しかし、セキュリティ対策は一度完了したら終わり、というものではありません。絶えず新しい脅威や技術が出現するため、常に最新の情報を取り入れ、対策を更新していくことが求められます。

個人情報の保護ならウイーズ・システムズにご相談を

ウイーズ・システムズ株式会社は、創業からアクセスログ一筋のセキュリティ専門企業です。内部統制や各種ガイドラインへの対応、情報漏えいなどシステムセキュリティに関するご相談を受け付けております。

個人情報をはじめとする様々な情報の流出対策にウイーズ・システムズ株式会社が開発・販売する WEEDS Traceが貢献します。WEEDS Traceは、抜け漏れのないアクセスログの取得が可能です。取得したログのレポート機能や不正操作の早期発見のためのポリシー機能など提供しており、情報セキュリティの強化と業務効率の向上が実現できます。

ぜひウイーズ・システムズ株式会社のWEEDS Traceのご利用をご検討ください。

Writer 星 光史
WEEDS SYSTEMSの創業メンバーの一人。
創業から証跡監査、アクセスログ分野のツールを自社販売してきたWEEDS SYSTEMS社で、導入からセールスサポートまで一貫して従事し続けているコアメンバー。現場で起きているお客様の課題や悩みに直面しながら解決に導き、製品バージョンアップの方針策定も手掛ける。